2025年7月21日月曜日

第6回美少女争奪戦 自作の振り返り

第6回美少女争奪戦 自作の振り返り

 第6回美少女争奪戦の美少女ゲームヒロインレビュー大会に参加しました。
 自分の作品について振り返ります。

1.ヒロイン選び

 スマガは今年(2025年)の4月頭~5月頭に読みました。その少し前くらいから,そろそろ今年レビューするヒロインを選んでおかないとな…と感じていました。ちょうどその頃,スマガの直前に読んでいた作品からヒロインの候補を挙げていました。

鍵アカウントでの発言

 『WHITE ALBUM2』の中川ちゃんです。年明け5日目~4月頭まで『WHITE ALBUM2』を楽しんでいました。おそらく3月頃に残したと思われる中川ちゃんレビューの草案には「ダブルっぱいバーグエッチにアシガピンソースを添えて敗北したい」とあります。

 その後改めて誰を選ぶのか本格的に考え始めたのは6月頃だと思いますが昨年のレビューに引き続き,また今年も穂村有里ちゃんでレビューをする案もありました。ただしその場合は,同じ『恋楯 Re:boot』ではなくオリジナルの『恋する乙女と守護の楯』の有里ちゃん(演:如月 葵)で書くつもりでした。当時メインで進めるゲームの合間にちょこちょこ読んで癒されていました。声優さんも異なっており,また違う魅力を見せてくれた有里ちゃんに二度目の恋をしていました。なんかまろやかでこれも良いんだよ。

なんてかわいいんだ
 昨年のレビュー。

 昨年のレビューは初参加だったこともあり,周りを無視させてもらって1対1で伝えるような感じで,この場を借りて有里ちゃんに伝えたいことを伝えるぞ!くらいの気持ちで書きました。この作品で去年参加させていただいたことは満足しているのですが,今年は読んでいて面白い,もっと楽しませるレビューを書きたいという熱意がふつふつと湧いてきました。

 楽しませ方として,ふざけた文章を書きたいと思いました。中川ちゃんのレビュー案は先述のメモからあまり発想が広がらなかったように思います。また,有里ちゃんは今読んでいる1周目では攻略できないヒロインで,『恋楯』好きだから1周目だって大切にも読みたいしレビューを書ける状態になるまで時間かかっちゃうなと思いました。一方でその頃には読み終えていた『スマガ』から,ミラちゃんにふざけた文章との相性の良さを見出したように思います。とっても元気で明るくて,ある程度見た目通り幼くて,喋り方もその場のノリ次第という感じでちょっと独特。曲がったことは大嫌い。正義の味方。

2.方針決め

 初めの頃に思いついたレビューの案は最終的にはシリアスな内容でした。『スマガ』は主人公がより良い結末を求めて,死んではその少し前にループをすることを繰り返します。何度やっても敵に世界を滅ぼされてしまう,世界が救われても誰かが命を落としてしまうというような中で,諦めるのか諦めないのかを幾度も問われます。

 冒頭にひとしきりミラちゃんに甘えるギャグパートがあるのは同じなのですが,実は辛い戦いから逃げようと眠ったふりをしたり,ミラちゃんに甘えてみたりしている。匂いで嘘がわかるミラちゃんは無理をしてそれを許している。正義を愛するミラちゃんを自分の弱さに付き合わせて苦しめることに耐えられなくなって正気を取り戻し,たとえ勝算は無くとも真っ直ぐな気持ちで一緒に戦いに戻っていくという感じでした。

 笑わせるのには影を感じさせる背景は余計かなと感じ,今回はむしろそのギャグテイストを広げて全編に亘って明るい面白さを追求しようと方針を変えました。

3.レビュー概説

 まずは全体の流れを。初め,幼児退行してミラちゃんのお腹に抱き着いて甘えていたが,ミラちゃんの小さな胸が目に入ると自分が過去に立てた誓いを思い出して正気を取り戻す。お互いに正義の味方として守るべき大切なもの(安眠,そしてぺたんこ)がある。一緒に箒で飛び立とうとするが,勢いが凄すぎてミラちゃんだけで飛んで行ってしまう。これらの状況が読み取れていない人がいたらそれは…きっと僕のせいです。

 重要かもしれないので膝枕について動向を追います。文章の始まる前からミラちゃんに膝枕はされていて,目を覚ました俺はその状態からミラちゃんに向き直って無我夢中でお腹に抱き付き始めて発したのが最初の「バブゥーっ!」。思ったよりも状況に適応してママをやってくれているミラちゃんに感心してママのお顔を見ようとお腹から顔を上げると目に入るのがぺたんこ。そこで何かを思い出して正気を取り戻すときの「なんで膝枕?」は「(そういえば)なんで膝枕(されていたんだ)?」ということですね,元々は前後あったんだけど削りまくっていて申し訳ない。この時には俺は普通に立ち上がって呻いていると思う。ミラちゃんが俺に膝枕をさせていた理由が「安眠を守ります!」なのは,ミラちゃんは一緒にいた俺が枕もなく眠ってしまったのを,俺の安眠を守るために膝枕しましたということです。つまり俺が頼んで膝枕をしてもらったのではなく,これはミラちゃんの自主的膝枕で…って,えーい!

 これくらいですかね膝枕は。

 説明がなく,次々と場面転換していくというような旨のコメントを頂きました。それもそのはずで,レビューを作る際に「説明をするだけで面白味に貢献できていない部分はなるべく削ぎ落とそう」と腐心していました。「笑いには緩急だ」と思い,激しさと落ち着きを交互に繰り出そうとしました。ミラちゃんの元気いっぱい,はちゃめちゃっぷりを表現できたかな…

4.一番書きたかったもの

 一番書きたかった部分は3行目の,ミラちゃんが「あ,あまえんぼさんだ…」と言っているところですね。突然激しく赤ちゃんになってしまった俺を,緊急性と俺への優しさからなんとか受け入れようとミラちゃんはやったこともないママをがんばってくれています。ママかわいいよ…

 男性が自分より幼い女性に母性を求めてしまうというのは一つのパターンで,実際にそういう願望や嗜好は真剣にありますし,それでいてそのいびつさは笑える描写にも調理できそうだなと感じて採用しました。しかし本編でミラちゃんがママっぽい振る舞いをする場面が特段ないかなとも思ったので,ミラちゃんは普段ママをやりたい願望があるわけでもママになるのが得意なわけでもないと推測しました。そのため「ママになってほしい」というのは通常ミラちゃんにできることを越えている要求だと思います。だからこそ土壇場でぎこちなくもママをがんばろうとしているミラちゃんが見たかった。

 何かを必要とされる状況が先にあって,なんとかそこに追い付こうとがんばる姿って好きです。
3人の魔女(エトワール)。左からスピカ,ミラ,ガーネット。

 『スマガ』の世界は,ミラちゃん含めてたった3人の魔女(エトワール)が,周期的に空から墜ちてくる怪物ゾディアックから町を守っている世界です。基本的に3人のコンビネーションが無いとゾディアックを倒すことは困難です。そんな中で他二人(スピカとガーネット)が険悪になってしまった時はミラちゃんが仲を取り持つ場面がありました。普段は一番幼いけど,この時はむしろミラちゃんが一番大人だなと感心した覚えがあります。ミラちゃんは正義の味方だから,本当に必要なときには背伸びしてでもがんばってくれるんだと思います。だからママも本当に必要なときはやってくれます。

 解説をいただいた通り,彼女は相手のもみあげの匂いを嗅ぐことで嘘がわかる特殊な能力を持っています。おふざけ半分で中途半端な幼児退行をしたところでバレてしまい,「なにをしてるのさ」ときっとかわされます。だけど本気で赤ちゃんになれば,ミラちゃんは戸惑いながらも慣れないママをがんばってくれると想像できました。賭けに勝ちました。

5.その後の内容の解説

 レビュー冒頭に書きたいものを書いたその後の内容を順に追っていきます。
 上まで戻ってレビュー見るの大変だと思うのでもう一回でっかく貼りました。

 女性のおなかやおへそが好きです。すでにギャグパートにはミラちゃんの胸に甘えるのではなくお腹やおへそに執着するくだりはありました。そこで真っ先に胸に行かなかったことを面白く活かせないかと思い,ぺたんこのパートが生まれました。

 「栄光のぺたんこ」はミラちゃんが自身の小さな胸に愛着を持っていることに僕が感激したことと,字面は劇中に何度も登場する「栄光の手(ハンド・オブ・グローリー)」が元ネタです。そのため「栄光のぺたんこ」と書いて「チェスト・オブ・グローリー」と読んでもらおうと思いましたが,去年は有った備考欄が無くなっておりそれは諦めました。そういう種々の指示に一つ一つ細やかに対応するのは大きな負担だったでしょうから無くなってしまったのはしょうがないと思います。今こそ叫べ!チェスト…オブ…グローリーッ!!

 ミラちゃんが安眠を守る,という話を「—栄光のぺたんこは,これを永久に—」と「—俺も守り抜く…!」で挟んでいます。すなわち,ミラちゃんが俺の安眠を守ってくれたその代わりに「俺」はミラちゃんのぺたんこを守ることを決意しています。正義の味方として。

 「—栄光のぺたんこは,これを永久に—」は日本国憲法に見られる「○○は,これを△△する」の形を意識しており,「栄光のぺたんこは,これを永久に保護する」が本来の姿です。途中で切ることで,赤ちゃんとして狂う中でミラちゃんの胸が目に映った途端,脳裏にフッと蘇った感じを出そうとしました。

 条文は途中で切ってその続きの内容は同じ「―」で繋いだ「—俺も守り抜く…!」というセリフの形で見せることで,外に形としてあるルールや目標であり,なおかつ今もう一度確めた「俺」の内側から発する理想や意志でもあることを表したかった。

 ぺたんこを見て何かが頭をよぎった後,突然苦しみだしたり「なんで…!」と口にしている部分は,狂ってしまったり精神を操られたりしていたキャラクターが何かのきっかけで大切な約束とかを思い出して正気に戻るというようなよくある展開のパロディです。周囲と触れてきたコンテンツが違うのか特定の作品のパロディとかだと勢いで笑えるものの元ネタがわからないこともあって,自分がやるときには特定の作品を知らなくても伝わりやすそうな不特定のパロディにしようと思ってました。

 最後に二人はどこかへ箒で飛び立とうとするのですが,劇中でもミラちゃんの箒の後ろに乗るともの凄い勢いに振り回されて大変な目に遭います。その箒が描く軌道はとっても直線的。ミラちゃんらしいですね。「どっこい」はミラちゃんを象徴する掛け声なので絶対どこかに入れたかった。一緒に戦いに赴くエンドだったころは一緒に夜空を駆ける金色の槍になったりしていましたが,全体がギャグテイストになったので落っこちました。ミラちゃんのうっかりしたところやパワフルさを表現したかった。

 画像はいくつか候補がありましたが,1回ちょっと隠してぱっと開けたときに「かわいい~♡」ってなったからこれにしました。

6.大会当日

 場面転換を多用したことや,最後の締め方について「爽やか」というような感想を頂けて意外に思いました。エッッッッ性のパワーを上げるために使ったのが下ネタでないことに言及頂きましたが,「爽やか」と言っていただけたのはそれも良かったのかなと感じました。まあ自分は女の子のお腹が好き,おへそが好きなので最初の2行は作者的には結構劣情ポイントだったんですが…。でも,明るく元気なミラちゃんの魅力を邪魔しないように心がけていたので,確かにパワーのためにえぐい下ネタとかに向かうのは実際避けていましたね。

 バラさんにエッッッッ性賞候補に選んでいただきました。去年とは違って勝つつもりで来ていたので,でも無理かな…とも思いながら最後にノミネートされたときは凄く嬉しかったです。昨年出場したとき「めろさんにも解説してもらいてぇ」と思っていたので,ノミネートされておさらいが発生したことで夢が叶いました。アンケートでもおそらく2名の方にご投票いただいたと思います。悔しさよりもここまで自分を押し上げてくれたことに感謝でした。目指していた全員の1番にはなることはできませんでしたが,僕に1番をくれた方が確かにいるのが嬉しかったです。

 完全に余談ですが『ローゼンメイデン』で7人姉妹の次女として生まれ,ずっと「2番」という数字に縛られていた金糸雀が,自分に1番をくれるみっちゃんに出会えたことで不幸ではなくなった話を思い出します。俺は泣きそうだけどまじで余談だな。

7.『スマガ』おもしろいよ!

 好きな作品なので,もちろん『スマガ』も宣伝したくてミラちゃんを選んだところもあります。あらすじは―目を覚ますと自分は空を落ちていて,一切の記憶を失っていた。そこはドームに覆われた大都市で,周期的に空から怪物が落ちてくる。怪物と戦うのは空を駆ける3人の魔女(エトワール)。幼女の神様から人生リベンジ能力で死んでは生き返り,その少し前からもう一度。果たして幸福な結末を導くことはできるのか―という感じです。



 津路参汰先生の絵にOP曲の「[a]slow star」などポップでかわいらしい雰囲気。しょうもないギャグには笑えるし,先の読めない展開の中で世界の謎に迫りながら,時に切なくなったり熱くなったり。なかなかボリュームのある作品なので,じっくり作品世界を楽しみたい人におすすめです!

8.好きなレビュー

 ころなさんの雪菜ちゃんのレビューすき。
 画像は確かに楽しいシーンではないんですが,ここで「雪菜ちゃんって本当に素敵な人だな,かっこいい人だな」と一層好きになれる,いやもしかすると初めて好きになれたかなという場面だったかもしれない。雪菜ちゃんが輝いてた場面なので,画像選びにはあまり悪意は感じなかった。

 そっか,幸せだったら「悲痛な叫びが、溢れ出る涙が、」と激情を爆発させる雪菜ちゃんはいなくなっちゃうのか…確かにそれは惜しいかもな…。実際雪菜ちゃんで好きなシーンの多くは雪菜ちゃんが幸せになっていないかもしれない。「天狼の輝きは、夜の闇があるからこそ輝く」,「天狼」ってかっこいいなと調べたらこれはシリウスのことなんですね。太陽を除いて,地球上から見える最も明るい恒星のようだ。太陽にはかなわないんだなあ…。

 初めは我慢していたり,途中で我慢できなくなったりして紆余曲折あるけど,最後の最後には自分で正しいと思っていることができる,そこに自分で戻っていくことができる雪菜ちゃんはかっこよくて素敵な人なんですよね。揺らぎながらも最後には…に魅力を感じるから,雪菜ちゃんが揺らぐような不幸が必要になるのかな。顰に倣うの西施ではないが,しかめた顔の雪菜ちゃんも良いよな…オロオロしている顔も…フヒ。

 『WHITE ALBUM2』は,どこまでも間違った方向に行ったり,それでもう元の場所に戻れなくなるくらいまで壊れちゃっていいんだと思って自ら突き進んで行ったりしても,結局俺たちは誰かの優しさとか正しさに包まれていて,守られていて,そんなことはできっこないんだってところが好き。あれです。同じ丸戸史明先生の『パルフェ』の「お前の周りの世界は…お前が考えるよりも…ちょっとだけ優しいんだよ」をここでも感じられます。『WHITE ALBUM2』はどんな作品ですか?って問われたら,実は皆をいつも守ってくれている,人の正しさとか優しさを描いた作品だって思う。

9.最後に挨拶

 来年の美少女争奪戦は無いとのことでとてもショックですが,昨年一緒に参加しながらフォローできていなかった人を今年きっかけにフォローできたり新しい方と出会えたりして,きっとより一層美少女ゲームは楽しんでいくと思います。だから2年後にはまた帰ってきてほしい。そして自分もその舞台に帰ってきたいです。
 主催,運営の皆様,参加者の皆様ありがとうございました!

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